2013年12月22日日曜日

名脇役!ビタミン

クリスマス3連休のスタートはビタミン学会のシンポジウム(笑)

からだ劇場の主役「タンパク質」を支えるのに不可欠な名脇役「ビタミン」がますます愛おしくなりました。

3大栄養素の代謝ルートに書かれたビタミンたち。もしビタミンがなかったらその道は通行止め。というわけです。

神経系に不可欠なビタミンが不足すれば、おもむろにメンタル(脳)に影響が出る。大切さを改めて認識しました。

ダイエットやお酒、糖質に偏った食事で私たちが思っているよりも、いとも簡単に潜在的なビタミンB不足に陥ってしまうようです。

やる気がなくなったり、記憶力がなくなったり、落ち着きがなくなったり、かっとなったり・・・

どう見てもビタミン足りてなさそうな方に限って
「ちゃんと食べてますから大丈夫ですっ!(怒)」

ってことがよくあるのですが、

これはビタミンが足らない為にビタミン不足に気付かないということ?
この悪循環はどこからほどけばいいのだろうか・・・

とにもかくにもビタミンは代謝の中で複雑に絡み合っていて、どれかビタミン一つだけ摂れば良いなんてことはない。

武蔵野大の阿部先生は「摂るならまず総合(マルチ)ビタミン」とおっしゃっていました。

その他、脂質の話や酸化のメカニズムの話など、知っているつもりでも解っていないこと・・・今回も目から何枚ウロコが落ちたことでしょう。

一年の最後に「やはり自分は何もわかってない」ことがわかって、来年への楽しみが増えました。

















東京海洋大のキャンパスはなんかのんびり広くて好き。
















2013年12月7日土曜日

Three Good Things

 先日参加したシンポジウムの基調講演は慶應大学の坪田先生でした。テーマは「ごきげん」について。

 Happy People Live Longer(幸せな人は長生きする)に関する論文が2年前に一流の科学誌Scienceにも掲載されたとか。「ごきげん」や「幸福」という一見主観的な事柄が科学的に検証されているそうです。

「ごきげん」は自ら学び、選択できる!ということで大切なヒントを頂いてきました。
幸福度を上げて、しかも長続きする方法だそうです。

それはThree Good Things.

夜、寝る前にその日にあった「3つのよいこと」を書きとめる!
楽しかったこと、嬉しかったこと、笑ったこと。どんな小さな事でもOK!
(というか漠然としたことより、具体的なことがいい)

そうすると脳は一日の出来事の中でよかったことを一生懸命探すために、脳の「ポジティブ回路」が強化され、ポジティブに考えやすい脳になるらしいのです。

そんなことで?と思うのですが実際にこれを続けた人たちを3ヶ月、6ヶ月と追跡していくと書きとめたグループの方がしなかった人のグループより幸福度が高く、別の研究では健康状態も良好になったそうです。

さて今夜はどんな3つになるかしら?
終わりよければ全て良し。
















ひとつはオイシかったことかな。








2013年11月28日木曜日

よくわからなくなってきました

「小腸に存在し、動脈硬化を引き起こす原因となる脂質の働きを抑えるために、遺伝子組み換えトマトを用いた療法が効果的かもしれない」

報告を行ったのは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームで小腸にごく少量存在する不飽和リゾホスファチジン酸(LPA)とよばれる脂質に注目。 LPAは血中コレステロール値の異常や炎症を引き起こし、動脈を詰まらせる原因となっているかもしれないということなのです。

高脂質・高コレステロールの餌(脂肪分21%)のエサをマウスに与えた時にLPAが増加する、あるいは微量のLPAを加えた餌でも同様のことが起こるとか。
そ こでLPAの影響を抑える可能性のある遺伝子組み換えトマトの粉を餌に混ぜると・・・

どちらの場合も小腸におけるLPAの増加が抑制されると同時に、悪玉 コレステロールの増加や善玉コレステロールの減少、全身性炎症が抑えられたそうです。通常のトマトではこのような効果は見られなかったとか。

そうか!その遺伝子組み換えのトマトを食べれば動脈硬化は解決・・・・・・なのか?

栄養の偏った高脂質・高コレステロールの食事をして、遺伝子組み換えのトマトでそれを解決するって、何か違和感が。

だったら最初からバランスの良い食事を摂れば済む事なのでは?

いよいよ、よくわからなくなってきました。



2013年9月29日日曜日

男性諸氏。ご用心。

今日はいい秋晴れの中、「サルコペニア」について勉強しに虎ノ門へ。

サルコペニア
進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群。筋肉減っちゃってヨワヨワになっていずれ転びやすくなったり、移動すらも難しくなります。

高齢者の問題でしょ?なんてイメージなのですが、65才以上の5人に1人はサルコペニアだとか。40代から人によっては要注意ゾーン。加齢とともに徐々に減って行く筋肉。長い無自覚期の末、限界に達した時に痛みや障害がでてくるという時限爆弾。

特に一日中会社や車で座っている、家に帰ったら家事はしない。そんな男性は要注意です!

京都大学大学院助教の山田実先生の話はわかりやすく、会場に詰めかけた一般市民は大爆笑でした。

転倒防止の心得

1.何はなくともまずは部屋の掃除
人は机のような大きなものにはつまづかない。コード、洗濯物、服、新聞などに注意。

片付けのポイントは:
出かける前→帰ってきたら確実に疲れている。転びやすい。
寝る前→夜中や早朝起きると薄暗い。転びやすい。

2.動く
せっかくの筋肉を壊してしまうのは炎症。その影に黒幕、内臓脂肪が・・・。運動は有効な対策。そう大げさに構えなくても家事も侮れない。掃除、洗濯、買い物など積極的に。特に男性は奥さんがいないと油のありかもわからないほど家事をしていない。これ、かなり問題です。目標を持って運動の習慣も身につけて行く。

2.しっかり食べて運動する。
筋肉は運動器だが、同時にエネルギー貯蔵庫。食べずに運動すると、運動すればするほど筋肉が減る。

特に摂取に気をつけるべきはタンパク質とビタミンD。筋トレの結果が驚くほど違う。

タンパク質は高齢になっても必要量は若者と同じ。
「年だから肉とかそんな食べられない」・・・は死活問題です。

ビタミンDは毎日7μg必要。
ブリなら1日大きめ一切れ。(それならなんとか・・・)
しめじだと1日7株(どんなだ・・・?)

タンパク質もビタミンDも無意識に食べていると摂取が難しい。
サプリメントなどを利用してタンパク質、ビタミンDの補給をするのも良い。

女性ももちろんですが、男性は元々筋肉量が多かった分激減がコタエルようです。

「ゴミ出す日 捨てにいかねば 捨てられる」


・・・男性諸氏。日頃の家庭内での精進が大事です。





















会場の近く、高層ビルの谷間にこんぴらさん。
なんか不思議な光景でした。

2013年9月22日日曜日

食べる?食べない?

秋ですねー。
スーパーの青果コーナーにいくとぶどうや柿やリンゴなど季節の果物が「食べて食べて!」とばかりに彩り鮮やかにアピールしてきます。そう。未熟な実は食べられないように防御することが仕事(?)ですが、熟した実は動物に食べてもらうのが仕事。

その皮を食べるか食べないか。というのは実に悩ましいテーマです。

オレゴン州立大学のライナス・ポーリング研究所の研究チームが、ヒトの自然免疫系を強化する能力がある化合物を探すため446種類の化合物を分析したところ、赤ブドウのレスベラトロールとブルーベリーのプテロスチルベンと呼ばれる物質の働きが群を抜いていたそうです。この2つはビタミンDと相乗的に働き、ヒトの免疫機能向上に大きな影響を持つことがわかったそうです。果物さん、良い仕事してます。

レスベラトロールは長寿遺伝子のスイッチをonにするということで有名になりましたが、おもに黒ブドウの皮に含まれる為、皮ごと食べることが望ましい訳です。皮を向いて食べると32%の有用成分を捨てることになります。

そうか。皮ごとたべればいいのね。

一方、こんなニュースも。

ウーロン茶とぶどうジュースと梨を摂取したという22歳の女性。呼吸困難と全身の筋肉の引きつりを起こし、歩行不能で病院へ。女性の尿からはネオニコチノイド系(以下、ネオニコ系)農薬の代謝産物が検出されるも、茶と果物の摂取を禁止したところ数日で改善。

平久美子先生(東京女子医科大学東医療センター麻酔科)によると現在、農薬のなかで主流になりつつあるのがネオニコ系。果物から野菜まであらゆる農産物に使われますが、人間の神経細胞を攻撃して、主に脳と自律神経を狂わす大変な毒物といわれ、中毒を起こす患者も出ている模様。特にジュースなど果実を食べるよりも多くの量がとれてしまう物には特に注意が必要だそうです。

そう考えるとサプリメントも要注意ですね。水分がない分、ジュース以上に濃縮されていますから・・・

原材料が無農薬と謳われていないものは一体どうなんだろうか?


あなたは皮食べる派ですか?
それとも食べない派ですか?






2013年8月30日金曜日

倍返しだっ!

ドラマ「半沢直樹」の話ではありません。

ダイエット時、たんぱく質の摂取量を推奨量の2倍にして運動すると筋肉量の維持に役立つ。と米国陸軍省環境医学研究所の研究。

とかくダイエットというと、多くの場合「食事の総量」を減らすことに血眼になりがち。
あるいは「肉断ち」という作戦もありえます。

いずれにしてもタンパク質の摂取量は不足します。

ダイエットで減らすべきは脂肪。タンパク質ではありません。
タンパク質を減らせば当然筋肉量が落ち、基礎代謝が落ち、結局は太りやすいカラダになってしまうことは必至。死守すべきはタンパク質量。

栄養摂取基準は基本「死なない程度」の摂取量(言い過ぎ?)
つまり欠乏症で病気にならない程度というもの。過信は禁物。
個人差も大きいといわれます。一般的な数値が自分にベストという訳ではありません。
「栄養摂取基準」は決して「健康量」では無いことを認識しておくべきです。

タンパク質は通常カロリーと抱き合わせ。
タンパク質を取ろうと思えばカロリーがもれなくついてきます。
食事と併せて上手に良質のプロテインパウダーを活用するのも賢い選択肢だと思います。
プロテインパウダーは通常、糖質と脂質をほとんど抜いてありますのでカロリーは抑えつつタンパク質は摂れるという物です。

タンパク質量、研究の結果、2倍はGood。3倍は差なし。
どうやら摂れば摂るほど効果がでるわけでもなさそうです。

不思議ですが、やはり「倍返し」が正解?



2013年8月5日月曜日

Hello 活性酸素

携帯電話が人体に及ぼす悪影響は誰もがうすうす?かなり?知るところ。

今回テルアビブ大学の研究で携帯電話ユーザーの唾液を調査。
通話中は耳の所に持っていることから唾液腺に何らかの影響があるのではと
唾液の内容にがんにつながる鍵があるのではとの仮説をたてたようです。

携帯電話を全く使わない人(ほとんど電話しない/メール、SNSのみ)



ヘビーユーザー(定義は8時間以上通話/月、実際は20〜30時間)


を比較すると、

ヘビーユーザーの唾液は、強い酸化ストレスの兆候を示したそうです。

酸化ストレスは有害な過酸化物やフリーラジカルを体内で発生させて、がんの主な危険因子になるとされています。

携帯電話で通話をしている時、電話の近くにある組織にかなりの酸化ストレスがかかっていることを意味します。つまり活性酸素に痛めつけられている、ということですね。

これによって細胞についたDNAの傷ががんなどの腫瘍をひきおこす遺伝子の突然変異につながるかもしれないのです。

もはや生活の一部となった携帯電話。
毎日普通に生活していることが活性酸素を増やして私たちの健康を目減りさせ、老化の原因になっている・・・

自分のカラダを守る為にも毎日できる活性酸素対策として野菜や果物が豊富な食生活を意識しておきたいものです。






















2013年7月27日土曜日

Liquid Candy

暑い日々が続きます。外出先でも水が手放せません。ところがよくよく見ていると子供達の手にしている液体はほとんどが清涼飲料水かスポーツドリンク。水や麦茶を飲んでいる子を見る事はまれです。子供達のさわやかな笑顔がこのまま続いてくれる事を願ってやみませんが・・・

今やアメリカ人は大人の3人に2人、子供の3人に1人が肥満。そして肥満関連の医療費は年間1.9兆円にものぼると言われています。清涼飲料の消費量増加が原因の一つと言われています。

標準的な清涼飲料水の560ccボトルでスプーン15〜18杯の砂糖が含まれ、カロリーは240kcalです。

大きなサイズ(1.8リットル)ではなんと700kcal!
これは吉野家の牛丼並盛りを超越するカロリーです。

そんなカロリーですが、いかんせん飲み物ですから同じカロリーであっても、牛丼など食事に比べると満腹度は低い。カロリーをとっている自覚はないのでさらに普通に食事をしてしまう訳です。まさに「飲んだら忘れちゃうカロリー」。


広告戦略にもぬかりはありません。
アメリカの2006年のデータではざっと見積もって320億円もの巨費が炭酸飲料の広告に投下されています。子供への直接的なアピールにも巨費を使っています。

ハデな広告の甲斐?もあって、この「飲んだら忘れちゃうカロリー」はうなぎのぼり。
1日の摂取カロリーに占める比率は70年代はわずか4%でしたが、今や10%越え。

特にティーンエイジャーに顕著だそうです。
彼らの1日摂取カロリー中のシェアでは、ピザ(213kcal)を抜いて清涼飲料水(226kcal)が堂々のTOPです。こんな状態がいいはずはありません。

・1日336cc以上飲む子供の1.5年後の肥満リスクは1.6倍

・1日1〜2缶飲む人のII型糖尿病リスクは26%UP。
 特に10〜20代、そして日本人を含むアジア人にはリスクが高くなる。

他にも心疾患のリスク、血栓のリスクも高くなるとの研究結果もあります。

Liquid Candy 
「液体のキャンディー」と呼ばれる清涼飲料水。

それは決して「水」ではないということをもっと沢山の人にわかってほしいですね。

(参考:Harvard School of Public Health The Nutrition Source)


















2013年7月23日火曜日

14,400リットル

見えないものほどコワイのかも。

日曜は久々のお休みで家にいると、そこはかとなく漂うスモーキーな香り。
ちょっと涼しいし、BBQには最適だね!などと思いつつのんびりしていたらいきなりサイレンが!

なんと隣家が火事という人生二度目の出来事に遭遇した次第です。

幸いにしてぼや程度で消し止められたものの、しばらく付近に漂うこげた臭い。臭いがするという事は粒子が鼻腔に入っているわけだ、などとマニアックな連想が始まりました。吸っている空気ってどの位健康に影響するのだろうか・・・?

ハーバード大学公衆衛生学部の研究により高いレベルの大気汚染に曝された妊娠中の米国女性は汚染レベルの低い地域に住む女性に比べて、自閉症の子供を持つリスクが2倍であったことが、明らかに。

ディーゼル排気微粒子や水銀については、5つのグループに分けられた最上位(もっとも汚染がひどい)20%の地域に住む女性は最下位(もっとも汚染が少ない)20%の地域に住む女性に比べ、自閉症の子供を持つ割合が2倍であることが示唆されたそうです。

他の種類の大気汚染、鉛、マンガン、塩化メチレン、複合金属汚染も同様に自閉症リスクは高かった模様。これらの汚染が最もひどかった地域に住む女性は、汚染が少なかった地域に住む女性よりも、自閉症の子供を持つ割合が約1.5倍高かったそうです。

妊娠中ということは子供はお腹の中ですから直接空気には触れていない。つまりお母さんの吸った空気中の物質が血液中に入り、胎盤を通して子供ががなにがしかの影響を受けた、ということになります。

食べ物や水に比べると意識しにくい空気。
なんと一日14,400リットルも吸い込み、しかも選択の余地なし。

添加物を避けるごとく
「なるべく吸わないようにする」

とか

ボトルの水を買うごとく
「他の産地の物をお取り寄せ」

という訳に行きません。
目の前の空気を吸うしかないのです。

妊婦さんでなくても、吸った14,400リットルの空気に含まれる汚染物質が体内になにがしかの影響をおよぼす可能性は同じ。

理想の環境に住めない身としては、せめて自分の家の中では変なものを吸い込まないよう空気清浄機を回す努力はしておきたいと思う次第です。






2013年7月20日土曜日

日に当たるべきか、当たらざるべきか?

東京ではここ数日、日差しが弱くてホッと一息ですが、女性にとって夏は悩ましい季節ですね。降り注ぐ紫外線からお肌を守るために日傘や長袖、UVケアなどで身を防御されている方も多いかと思います。

紫外線を浴びると表皮にはシミ、乾燥ジワ。下の層の真皮ではハリの成分であるコラーゲンや弾力の元であるエラスチンにダメージができる事が明らかになっています。

野菜や果物の色が夏に濃くなるのは紫外線の害から自分を守るために色素を濃くするからと言われています。いわば野菜果物のUVケア作戦ですね。

では紫外線は害だけなのでしょうか?

私たちヒトが紫外線(UV-B)にあたると皮膚でビタミンDが合成されます。このためビタミンDは「日光のビタミン」と呼ばれます。自力で作れるってすごいですねー。

ただし、日照時間が短い地域ではビタミンDが合成されにくいため、くる病等の欠乏症が問題となります。

ところが最近、UVの害が言われるようになってから徹底的に避けるようになり、ビタミンDの体内合成が充分ではない人が増えているとか。

ビタミンDは日本では「骨のビタミン」として知られていますが、アメリカなどでは免疫力UP、大腸がんや乳がんなどの予防抑制効果があるとして注目を浴びています。最近日本でもビタミンDが一部のパーキンソン病の進行を抑制したと話題になりました。

以前、アメリカであるドクターに「では日には当たった方がいいのですか」と質問した際「UVの害は無視できないので、UVケアをしつつビタミンDはサプリメントで摂った方がいい」とのご意見。からだに活性酸素を発生させずにDのメリットを享受するにはそれですか。

日光の恵を受けつつ、うまくつきあって行く知恵が必要。

でも、もうUVケア忘れて外出してしまった方、今日は「ビタミンD合成の日」と前向きにとらえて帰ってからケアしてください・・




























2013年7月9日火曜日

運動転じて

先日、横浜で開催された抗加齢医学会の総会に参加してきました。
今回もまたいろいろお勉強させて頂き、ノートはもう何が書いてあるのだか解読に時間がかかるかかる・・・(涙)

さて今回はいつも大変お世話になっている東海大学の石井教授が座長をおつとめになる一般口演が最終日にあり、参加させて頂きました。

テーマは「運動」。

中で「運動をする人の方が血液検査の数値が悪い」という不可解な報告が。

石井先生のコメント「健康オタクな人たちはきちんと栄養を摂らずに運動することが多い」

石井先生の研究はきちんとマルチビタミンミネラルのサプリメントを摂取しながらおこなわれました。中年女性が対象でしたが、運動のみでは変化がなかった骨代謝関連数値がサプリメントと運動の併用で良くなっていたそうです。

今日の昼、炎天下サウナスーツで走っていらっしゃる中年男性をみかけました。
スポーツが毒にならないようお祈りするしかない・・・


















今回は4,800名の出席だったそうです。
希望したランチョンセミナーが満席で参加できずという事態を
初めて体験。












2013年4月26日金曜日

その1本が

自動販売機の前に立つとつい甘いドリンクのボタンを押してしまう。
仕事終わりには自分へのご褒美に甘いドリンクをオーダーしてしまう。

その1本がデブになる。

・・・だけならまだいいのですが。

ジュースや炭酸飲料など加糖飲料の習慣的な摂取量が1日につき約1本(336ml)増えるごとに2型糖尿病のリスクが増えるとの調査報告がありました。(イギリス・インペリアル・カレッジ・ロンドン)


どうやらこの手の研究はほとんどがアメリカで実施されたもの。そこで研究者の方々はヨーロッパで同じ事が言えるのかと思い、調査したそうです。


対象国はイギリス・ドイツ・デンマーク・イタリア・スペイン・スウェーデン・フランス・イタリア・オランダの9カ国。約35万人が参加している非常に大規模な研究から。


習慣的な加糖飲料摂取量が12オンス(336ml)増えるごとに2型糖尿病リスク

22%上昇

なお、一日の総摂取エネルギーとBMIで調整すると、このリスクは減少したもののわずか18%にとどまることとなりました。

つまり

加糖飲料の摂取と糖尿病の関係個人の体格と糖尿病の関係

ただ単に太っているかどうかということよりも日常的に甘い飲み物を飲んでいるかどうかの方が糖尿病になるリスクが大きいと言えます。

なお、このことから最悪の組み合せは

太り気味で加糖飲料の摂取量が多い人

このタイプの人はより糖尿病の危険性が高くなるそうです。

「糖尿病になっても今は良い薬があるんでしょう?」そう思ってタカをくくって今日もまた甘いドリンクを頼んでしまう方。

糖尿病がどんな病気なのか一度徹底的に調べてみてはいかがでしょうか。

そのドリンクの甘さがどんなに恐ろしい誘惑なのか気付く事になるでしょう。

















2013年4月12日金曜日

離乳食にご用心

いつ離乳すべきか・・・赤ちゃんを持つお母さん達の悩みですね。

時期尚早な離乳食は、その子が将来の体重増加や肥満のリスクを高めるかもしれない、という米国ニューヨーク州立大学による動物実験の結果報告。

ラットの子供に高カロリー(糖)のミルクを与えて調べたところ、それらのラットでは肥満や2型糖尿病の前段階として知られる高インスリン血症を発症するように代謝的にプログラムされていることが確かめられたそうです。

臨界期と呼ばれる出生直後の期間に、食欲の制御にかかわっている脳の部位の発達は炭水化物(糖)の過剰摂取に影響を受けるそうです。後にカロリーを制限したとしても、受けた悪影響を消すことはできない・・・

つまり離乳期に糖分たくさんの飲食物を摂った(というより摂らされた?)人は、大人になって好きに食べていると肥満や糖尿病のリスクが高くなる、という事なんです。

すでに代謝関連のプログラミングを経験した人々(もう今更遅い!という方々)では、肥満に対処するために常に根本的なライフスタイルの改善が必要。つまり腹八分(一説には七分)を意識していれば体重の維持は可能だそうです。

この研究結果を知って、赤ちゃん用の離乳食や飲料をチェックしていて驚きました。

市販の赤ちゃん用のフードやジュースは意外に糖分(「炭水化物」と表示されています)が多いのです!

イオン飲料(赤ちゃん用)100mlあたり約4.2g

イオン飲料(大人用)100mlあたり約6.2g

(某イオン飲料はビンにそのまま哺乳瓶の乳首がつけられるそうでママたちに人気だそうです。)

今回の話題とは違いますが、

以前研修会で大学病院の先生から衝撃的な話を聞いた事があります。
お母さんが「体にいいから」とイオン飲料を一日1.5ℓも飲ませていたために、生後8ヶ月の赤ちゃんが心拡大などの脚気(ビタミンB1欠乏)症状に!

なんせ糖はたっぷりですが、それを代謝するビタミンが入っていない飲み物ですから・・・。

赤ちゃんはグッタリとした状態で病院に連れてこられたそうです。幸いビタミンB1の投与で回復したということでしたが、こんな話は珍しいことではないとか・・・。

赤ちゃんは自分で口に入れるものが選べない。
お母さんたち、どうぞお勉強よろしくお願いしますm(__)m
















2013年4月1日月曜日

ダイエットに朗報?

アメリカ 60%
日本 20%

何の数字かわかりますか?

朝食の欠食率だそうです。
その重要性を頭ではわかっているものの、ついつい時間がなくて抜いてしまう・・・なんて方も多いのでは?

軽く見られがちな朝食、実はダイエットのためには一日の中で一番重要かもしれない。
とMissouri大学の研究から。

18〜20才の肥満の女性を対象に3つのグループに分けました。
1.朝食欠食グループ
2.カロリー350kcal たんぱく質35gの高たんぱくグループ
3.カロリー350kcal たんぱく質13gの普通たんぱくグループ

6日間これを続けてもらい7日目にアンケート、血液調査、MRIでの調査を実施。

結果
・欠食グループに比べて他の2グループでは空腹感が少ない。
・高たんぱくグループでより満腹感が高かった。
・高たんぱくグループでは夕食前の刺激に対しての反応がおさえられる。
・高たんぱくグループでは夕食後のデザートに高脂肪のものを選ばない傾向。

ということで朝食にガッツリとたんぱく質を摂る事が一日の食欲をうまくコントロールする重要な鍵になりそうです。

さっそく明日の朝からためしてみようかしら・・・。


















卵だけで35gのたんぱく質を摂ろうとすると約6個420kcal。
カロリーにお気をつけくださいませ。

2013年3月4日月曜日

ジャンク好きの子はジャンク好き

カエルの子はカエル。この場合は決してヨロコバしいことではありません。

妊娠中の母親がジャンクフードを食べると、新生児の脳の発達を変化させる。その結果胎内でジャンクフードに慣れた子どもたちは成長してから、より多くジャンクフードを食べる事になるかもしれない・・・マウスを用いた動物実験で明らかとなりました。

オーストラリアのアデレード大学の研究者は、「この研究が妊娠した女性に自分たちの食事が子どもの生涯に渡る好みの発達や代謝性疾患のリスクに影響を与えるのだ、ということを知らせるべきだ」と。

最近、あちこちで話題にのぼる胎児プログラミング説。妊娠6ヶ月までに飢餓を経験した母親から生まれた新生児には肥満のみならず、心臓病、糖尿病、精神病などのリスクが高まるという説です。つまり妊娠中に母が間違ったダイエットをしたり、栄養アンバランス状態だと生まれた子供は生活習慣病になりやすくなるそうです。

プレママたちがジャンクフードを食べる、あるい間違ったダイエットをする・・・そんな一見、重大な事には思えないことが生まれる赤ちゃんの将来の健康を左右する事がだんだん解ってきました。

よく昔から妊婦さんには「自分だけの体じゃないんだから」と声をかけます。まさに言い得て妙なんですね。

ただ!

プレママたちが

「なぜジャンクフードを食べてはいけないのか」
「なぜダイエットをしてはいけないのか」
そのメカニズムを知らなければ止めようもありません。

子供には遺伝子も受け継がれますが、同時に健康のインテリジェンスも受け継がれる・・プレママたちには可能な限り伝えて行きたいと思います。ある意味、「家系が変わる」大問題ですから・・・












2013年2月12日火曜日

My Sweet Valentine

もうすぐバレンタイン。デパートにチョコレート売り場には人垣。いやこの時期人垣ができているところは間違いなくチョコレート売り場。
米国化学会がバレンタイン前にこんなビデオをアップしたそうです。

「チョコレートがなぜあなたに良いのか」

化学的に解説した新しいビデオらしく。

ビデオは、チョコレートには数百種類に及ぶ化合物が含まれており、さまざまな健康効果が期待できることを教えてくれるというのです。


チョコはあなたの気分を上向かせる。味と香りだけでなく、チョコの成分が快感をもたらす脳内物質アナンダミドの分解を抑えるから。
 

チョコはあなたを力づける。カフェインとテオブロミンが含まれているから。
 

チョコのポリフェノールはHDLコレステロールを増やす。HDLは善玉と呼ばれることもあり心臓に良いコレステロールと考えられている。

チョコレート業界から何かもらってる?(笑)

チョコレートにはカカオポリフェノールだけでなく
多くの砂糖や油脂が含まれています

のでご注意。
(特にカカオの含有率が低いもの。原材料名は多く入っているものから表示されます。)

モテ男子だけでなく、もうあらゆる人がチョコレートをもらえる昨今。
Sweet Valentineは一年に一度のお楽しみに。



























































2013年2月8日金曜日

体もマインドも。

ニュージーランドで行われた若者を対象とした調査で、野菜や果物をよく食べた翌日は感情面においても良好な状態となるという結果が報告されました。同国の心理学者と栄養学者による共同研究。

調査ではその日に何を食べたかについて5つの質問に答え、特に野菜や果物の摂取量について詳しく聞き取りがされたそうです。この果物と野菜にはジュースとドライフルーツは含まない。(←ここは結構ポイント!)またクッキーやビスケット、ポテトチップ、ケーキ、マフィン、といった食品の摂取量についても調べられたそうです。

これらのデータを解析した結果、野菜や果物の摂取量が、翌日の気分の状態に関わっていることが認められた。「彼らは、野菜や果物を食べた翌日はいつもより良く穏やかで幸福感があり、元気があふれていると答えたのです。」と研究者は語っているそうです。

一般的に考えると、ケーキなどの甘いものの方がシアワセ感が高そうですが、それは単なる思い込み、ということになりますか・・・・

よく野菜や果物が豊富で健康的な食事を「体が喜んでいる」と表現しますが、どうやら心も喜んでいるようです。

健康的な食生活のためには野菜や果物を1日あたり7~8サービング(1サービング=片手にのるサイズ)以上。

1食になおすと2〜3サービング。
今朝、摂りましたか?
摂っていない方は明日のシアワセ感のためにも、あと2食で4サービングずつ。
がんばりましょう!!!!(汗;)














2013年1月31日木曜日

ぶどうの種は捨てないで?

ブドウの種子の抽出物に含まれる成分が多くのタイプのがん細胞に対して良い影響を及ぼすことはすでに知られていましたが、その有用性はより進行したがんで高いかもしれない、というコロラド大学デンバー校他の研究報告。

ご存知の通り、がん細胞は他でもない自分の細胞。遺伝子の変異によって不死の細胞になったミュータント。変異は10,000個以上とも。がんの化学療法はその変異を狙ってなんとかしようとするのですが、またしてもの変異で遺伝子が変わってしまいイタチごっこになると推察されています。

ところがブドウ種子の抽出物に含まれる物質のストライクゾーンは広いらしく、つまり遺伝子がどんどん変化しても対応できる可能性が高い様なのです。懐深いぞ、ブドウ種子。

薬は成分をどんどん絞り込んで純度を高くしてピンポイトで効かせようとするもの。ところが自然界にある物質は本当に多様(時に「不純物」呼ばわりされる)。おそらく「キレ」は悪いもののきっと大きな範囲で働くのだろうな、と。

ブドウ種子。私がこどもの頃は「ブドウの種を飲み込んでしまうと、おへそから芽が出る」と親に言われていました。隔世の感ありです。今後は是非、ブドウの種は飲むことにします(^_^;)

とはいえ、あの硬い殻。きっと人間の消化酵素で消化できないでしょうね〜。






2013年1月16日水曜日

がん細胞の好みは

先週、大学の薬学部の公開講座に参加してきました。

「抗酸化物質を巧みに利用するがんの生存戦略」

話が高度すぎて最初の5分で「止せば良かった・・・」と後悔しきり。
タイトルは魅力的だったんですけど・・・

がんは他ならぬ自分自身の細胞。
遺伝子に変異が起きて別人になってしまい、ゾンビの様に不死になった細胞です。
でも、がん細胞とて自分を動かすエネルギーは自分で作り出さないといけません。

正常な細胞は細胞内のエネルギー工場でエネルギーを作るのですが、
がん細胞はその工場を使わず奇妙なエネルギーシステムを使っているのです。
そのシステム、燃費が悪く沢山エネルギー源が必要。だから

糖ひとり占め。

むむむ。

しかも、自分からでたゴミは寄生した臓器の処理施設に放り投げる。

むむむ。

大腸がんは「甘いもの」を求めて肝小葉などに転移していく。

むむむ。

ワールブルグエフェクトやらグルタミノリシスやらという幻聴(先生、ごめんなさい・・・m(__)m)を乗り越えて私が解った事は

甘い物を食べ続けるとがん細胞の思うツボだということ。


ってこのブログ、チョコ食べながら書いてしまった・・・(涙)

明日から「がんが困る食生活意識します!
























キャンパスの横から見えた東京タワー。
何バージョンだろう?










2013年1月1日火曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

昨年は大胆にも11月に10日間のアメリカ行きを敢行してしまったため、
どんだけ忙しいのか?!という12月になってしまいました。

そうです。ブログ更新できなかった言い訳しています(汗)

今年はゆったりした一年にしたいなー。
いま順天堂の小林先生も「副交感神経」をテーマにしていらっしゃいますが
あせらない、優雅なリズムで日々アンチエイジング的努力をしていきたいものです。

それには前段階として
★整理整頓(物を持ちすぎない。何かと探す時間がムダ、で忙しくなる・・・)
★計画(前の番に翌日の計画&準備をすることで余裕が生まれる・・・)
これが不可欠になるようです。

とかく私たちは「アンチエイジングにはどんなサプリがいいのか?」
などと思ってしまいますが(それでレスベラトロールが売れたりするのですね)
やはり、日常の生活習慣なくしてアンチエイジングなし!

という事で本日はアンチエイジングの為に山積みになった書類や会報、本を片付けるという一年の計にしようと企んでおります。

みなさまにとってHappyな一年となりますように!