2008年8月9日土曜日

これでいいの・・・か?

漫画家の赤塚不二夫さんが亡くなりました。

小学生の時からTVや雑誌でなじんできた
赤塚作品。あまりにたくさん過ぎて、内容などは
ほとんど憶えていません。

そんな中、ひとつだけ強烈な印象を残したストーリーが
あります。

天才バカボンでバカボン一家がフランス料理を
食べにでかけます。
当時はまだフランス料理は高級料理。
庶民が滅多に口にできる物ではありませんでした。

ドレスコードが厳しく(?)いつも裸足に草履の
バカボンは靴をはいていないということで
入店を断られてしまうのです。

バカボンとバカボンパパは知恵をしぼった挙げ句
足に靴墨を塗って靴っぽくみせることを思いつきます。
ところがそのままだとバレバレなので
超高速で足を動かして細かい所が見えないように
してごまかし、見事、入店に成功。

でも結局足を超高速で動かしている為、食べられない
というオチ(だったと思う)

日本がまだそれほど豊かでなかった時代背景を感じさせる
ストーリーです。
今でも靴を磨いている時、この話を思い出します。

フランス料理が特別なものでなくなった
皆が靴を履けるようになった

豊かになろうと私たち日本人はがんばって
経済を成長させ、敗戦国から先進国の仲間入り
をしました。食生活も当時とは比較にならないほどです。
東京では世界各国の料理が気軽に口にできる。
書店の棚はグルメ雑誌の花盛りです。

いろいろなものが手軽に手に入るようになった今日。
違ういろいろなものを引き換えで失ってしまったような
気がしてならないのです。

これでいいの・・・か?


赤塚さんのご冥福をお祈りします。