2012年5月2日水曜日

さかなもなかなか

The Journal  of the American Medical Associationより。

魚油カプセルを毎日摂取すると、人工透析の継続がスムーズになり、重大な合併症を防いでくれるかもしれないとの研究報告がありました。(英国ローソン健康研究所)

血液透析では動脈と静脈を体内または体外でつなぎ合わせたシャントというものが必要でシャントを長く使い安定して透析を受けるためには、血管の狭窄・閉塞を予防することなどが鍵。

透析患者(AVGと呼ばれる人工血管を用いるタイプを利用)に、シャント造設後1年間、1つのグループには魚油カプセルを毎日摂取してもらい試験(もう片方のグループは偽薬。患者本人にも担当医師にもどちらをとっているのかは知らされない)を行ったようです。

すると、魚油カプセル摂取群は血栓症の割合が偽薬摂取群の半分になったほか、発症までの期間がより長くなる傾向がみられた模様。また血圧も低めとなり、心臓発作や心不全の発症率も抑えられたそうです。ちなみに心不全は透析患者の死因の中で最も多く、極めて重要な合併症とのこと。

すべての問題を魚油が解決できるわけではありませんが、透析患者さんには嬉しい結果。

また今回の研究は人工透析患者さんを対象に行ったものですが、魚油カプセルが血栓を出来にくくするという可能性は私たちにも大いに役立ちそうですね!

おさかなくん、エライ。